前回、住宅会社の選び方の初歩的なことをまとめました。予算と場所と建物の値段を大まかに分けると選びやすくなる思います✨
今回は、具体的に高性能住宅を求めた場合を想定して信頼できそうな会社の探し方をまとめたいと思います。
※高性能住宅は、建物にかかる費用が大きな金額になることが多いです。それを踏まえた上で、それでもなお、高性能住宅が良い方向けの記事となります。
1.総合力が大切
高性能住宅を目指したいとお考えの方は、すでに家づくりの勉強をされていると思います。
UA値やC値などもご存知だと思いますし、用いる部材についても勉強されていることでしょう。
問題になるのは、勉強してきたものを実現してくれる会社がどこなのかだと思いますが、その前に「住宅は総合力が大切」を意識することをオススメします。
なぜ「住宅は総合力が大切」を意識すると良いのかというと、いわゆる「住宅迷子」状態になることを防ぐためです。
勉強していると細部まで気になり、用いる換気システムや断熱材の材料などにもこだわりたくなると思います。
ただ、住宅会社を選ぶときには、その勉強が逆効果になり、求める条件までもが細かくなってしまうかもしれません。
勉強したことは、住宅会社選びではなく打合せの際に住宅会社とのディスカッションで生かしてください。
住宅は総合力を意識して、これだけは譲れないポイントを決めて選別していきましょう。
2.求める住宅の性能
住宅会社を選ぶときには、どの程度の性能を最低限として求めるのかを決めておくのが良いと思います。
私たちは、
「Heat 20 G2グレード」
「C値0.5以下」
「耐震等級3」
の3つを求めたい性能の最低基準としました。
個人的には、少なくとも上記を満たさない住宅は高性能住宅とは呼べないと思っています。
住宅会社選びを難航させるのは、高性能でもなんでもない会社が勝手に高性能住宅を謳っているからに他ならないのですが、そのような会社に捕まらないようにしたいところです。
もっと言えば、上記3つを満たす住宅を高性能と言わなくても済むように、かつ、住宅会社を選ぶことが容易になるようになって欲しいと願うばかりです。
3.探し方
私たちの最低基準を満たす住宅会社は検索すればおそらくたくさん出てくるでしょう。
謳っているだけなのか、本当に実現してくれるのかを区別するのが難しい。
区別しにくいのは、多くの場合、高性能住宅を建てている住宅会社は宣伝があまり上手でなく、見つけにくいためです。
できるだけ確からしいところを見つけるための絞り方として実際に用いた方法を紹介します。
以下の3つのうち2つ以上に該当しているかどうかを確認しましょう。
絞り方①新木造住宅研究協議会の会員
絞り方②パッシブハウスジャパンの賛助会員
絞り方③地域型グリーン化事業の実績工務店
なぜ、①だけではダメかというと、登録住宅会社数が多く、優良会員と幽霊会員が混在しているからです。
②の場合は、私的にこれからも会員数が増えるであろう組織というイメージがありますが、抜きん出ている住宅会社が目立っていて、全ての会員に実績があるわけではない状態です。当たりもあれば、少しハズレもある可能性があります。
③地域型グリーン化事業は、グループで採択される補助金です。ある程度以上の性能の木造住宅を対象にしています。その実績があるということは、高性能住宅に取組み、実績もある可能性が高いです。
ただ、地域型グリーン化事業の実績を見ていた時に、「ここはダメだな」と思うところも入っていたので、全てが優良というわけではなく、中途半端なところもあります。
①から③のうち2つ以上に該当(①と③、②と③が多いと思います。)しているところをピックアップしていきましょう。
注意点としては、自分たちが土地探しをしようとしているエリア、土地を持っているエリアから車で1時間以内で行けるところに限定して選定することです。
私たちは、このやり方で、3社に絞りました。
そのうちの2社に同じタイミングでアポイントを取って、お話を聞きに行ってすぐに決めました。
3-1.その他の工務店リスト
・構造塾の佐藤さんがまとめてくださっている住宅会社リストは有益だと思います。注意点は住宅会社の自己申告制になっているところです。
・オガスタの相模さんの建築愛のある工務店リストも有益です。私の知る限り、建築愛があり、かつ、パッシブハウスの設計施行の実績十分なところが入っていないので、このリスト以外にも良いところがあると思っておいて欲しいところです。このリストに載っている住宅会社がエリアにない場合でも焦らなくて良いと思います。
・松尾さんの講習会受講工務店リストも有益だと思います。個人的には最優先で参照するところではないかと思っています。
これらは、著名な方のところに集う住宅会社のリストで、上記①から③の情報の補完に使えると思います。重複しているとハズレではない確率が上がると思います。
4.決定打を打つ
最後に、絞った住宅会社からどこにするのかを選ぶことについてです。
元も子もない話になりますが、最後の決め手は、「感性」や「相性」など、性質や傾向のようなものによります。
悪い言い方をすれば、たくさん勉強して住宅会社選びを慎重に進めてきたとしても、良いところに決めきれない方がいるということです。
逆もまた然りで、勉強はほどほどでも良いところを自然と選んでいる方もいます。
この差は、普段の生活や物事の見方に表れると思います。
例えば、何か物を買う時は、金額が安いかどうかだけで決めますか?
それとも、対応してくれた方が好きで買いますか?
このような違いかと思います。
次回、以上のような「感性」や「相性」のような部分をメインに住宅会社選びにおいて、最も意識したことをまとめたいと思います。
では、また!